124億光年先で発見された銀河14個から成る原始銀河団の想像図。いずれ合体し、巨大な銀河団の中核になるとみられる[米国立電波天文台など提供]【時事通信社】
地球から124億光年も離れた原始銀河団を発見したと、カナダ・ダルハウジー大や米国立電波天文台などの国際研究チームが発表した。南米チリにあるアルマ電波望遠鏡などで観測した。論文は26日付の英科学誌ネイチャーに掲載される。
銀河団は多数の銀河で構成されるが、見つかった原始銀河団には少なくとも14個の銀河が含まれる。宇宙は約138億年前にビッグバンで誕生したと考えられており、14億年後の早い時期の銀河団が見つかったのは予想外だったという。
この原始銀河団の大きさは、地球がある天の川銀河(銀河系)3~4個分しかなく、非常に密集している。それぞれの銀河では濃いガスやちりから恒星が続々と形成されており、そのペースは天の川銀河の最大1000倍と推定される。これら14個以上の銀河はいずれ合体し、巨大な銀河団の中核になるとみられる。
原始銀河団は他にも見つかり始めており、詳細な観測で形成過程の謎を解明する手掛かりが得られる可能性があるという。(2018年04月26日)
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おとめ座の方向に11光年離れた赤色矮星(わいせい)「ロス128」の周りで地球に似た惑星を発見したと、フランスのグルノーブル・アルプ大などの国際研究チームが15日発表した。太陽系外では4光年先の「プロキシマb」に次いで地球から2番目に近い惑星だが、太陽系に接近中のため、7万9000年後には最も近い惑星になるという。
赤色矮星は宇宙に多数ある小さな恒星で、水素の核融合が穏やかなため暗い。ロス128は質量、大きさとも太陽の2割弱。発見された惑星「ロス128b」は赤色矮星の周りを1周約10日で回り、距離は太陽-地球間の20分の1、質量は地球の1.35倍で、温度は20度から零下60度と推定される。
プロキシマbも赤色矮星の周りを約11日で周回するが、紫外線やX線が強烈で生命が存在するには厳しい。ロス128bは水が液体で存在するか不明だが、紫外線などは穏やかと考えられる。
研究チームは南米チリにある欧州南天天文台の直径3.6メートルの望遠鏡でこの惑星を発見した。建設中の同39メートルの巨大望遠鏡ELTが2024年に観測を始めれば、大気中の酸素などを捉え、生命の存在可能性を明らかにできるという。(2017/11/15)
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの国際共同研究チームは18日、2007年に打ち上げられた月探査機「かぐや」の観測データから、月の「マリウス丘」と呼ばれる地域の地下に全長50キロに及ぶトンネル状の巨大空洞があるのを発見したと発表した。地下空洞内は温度が安定し、放射線の影響も少ないことから、将来の探査基地の建設候補地になるという。論文は米科学誌ジオフィジカル・リサーチ・レターズに掲載された。
かぐやは07年から約1年半にわたり月を周回して膨大な科学データを収集。09年には、マリウス丘表面に直径、深さともに約50メートルの縦穴を発見した。
東海大大学院生郭哲也さんとJAXAの春山純一助教らは、かぐやが搭載していた地下探査用レーダー(LRS)の観測データを解析し、この縦穴付近の地下構造を詳しく調べた。その結果、この縦穴付近から西に向け、深さ数十~200メートルの地下に、トンネル状の空洞が長さ約50キロにわたって延びていることが分かった。幅は数十メートルあるとみられる。(2017/10/18)
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