본문 바로가기

스크랩

ボルトン回想録は「とどめの一撃」か~再選濃厚から一転、逆風だらけのトランプ氏~【コメントライナー】

時事総合研究所客員研究員・明石 和康

米国のボルトン前大統領補佐官(左)とトランプ大統領【AFP時事】

 トランプ米政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏の回想録が話題を呼んでいる。

 昨年6月に大阪で行われた米中首脳会談の際、再選を確実にするために、米国から農産品を大量購入するよう、習近平国家主席に懇願したなどと、独裁者にこびる大統領の姿を天下にさらしたからだ。

 会談に同席のライトハイザー通商代表部(USTR)代表は、即座に否定しており、真相はやぶの中だが、2018年春から1年半にわたり、米外交の中枢にいた人物の暴露本だけに、トランプ氏はいら立ちが収まるまい。

 ◆あたかも独裁者のよう

 この著作で興味深いのは、トランプ氏に最も忠実とみられたポンペオ国務長官が、米朝協議に関して「成功の可能性はゼロだ」と断言したとの記述だ。

 事実なら、何の成果も上がらぬ米朝協議を自慢しているのは、大統領だけになる。誠にお粗末なトランプ外交の舞台裏だ。

 2月に弾劾裁判を無罪評決で乗り切ったトランプ氏は、再選の可能性が濃厚になったとみられていた。

 ところが、その直後に米国を襲った新型コロナウイルス感染症の猛威により、死者数は約12万人に達し、経済は極端な落ち込みを見せた。

 さらに、白人警官が黒人男性の首を膝で押さえつけて殺害した事件が5月に起きて以降、人種差別への抗議が瞬く間に全米に広がった。

 「略奪が始まれば、銃撃が始まる」と、あたかも軍事政権の独裁者のように脅しをかけた大統領の強硬姿勢は裏目に出て、忠実なはずのエスパー国防長官が、デモ隊鎮圧のための軍投入に反対するなど、国防総省内部からも批判の声が上がった。

米中首脳会談に先立ち握手するトランプ大統領(左)と習近平国家主席=2019年6月29日、大阪市【AFP時事】

 ◆最高裁でさえ

 保守派の判事が過半数を占める連邦最高裁でさえ、世論の動向には敏感である。

 6月15日には、LGBT(性的少数派)への差別は連邦法違反との判断を示した。同18日には、子供の頃に親に連れられて不法入国した若者の強制送還を猶予するオバマ時代の制度撤廃を当面は認めないとの判決を下した。

 いずれも、トランプ氏が期待をかける保守派のロバーツ連邦最高裁長官が、リベラル派の判事と足並みをそろえた結果である。

 保守派が必ずしも、大統領の政策を支持するわけではないことを証明したわけで、トランプ氏は時代の流れに取り残された感がある 。

 ◆再選に異常な執念

 では、11月3日投票の大統領選挙の見通しはどうか。

 自滅気味のトランプ氏を尻目に、穏健派で黒人の信頼が厚い民主党のバイデン前副大統領は、着々と支持を伸ばしつつある。

 一部調査では、トランプ氏の本拠地フロリダ州でも、支持率でバイデン氏がリードしている。激戦が予想される中西部諸州では、失業率が上昇する中で、バイデン氏への期待は高まる一方だ。

 それだけではない。共和党の地盤である西部アリゾナ州や南部ノースカロライナ州などでも、接戦に持ち込む勢いで、今、投票が行われれば、バイデン氏圧勝との予測が出ている。

 しかし、油断は禁物だ。トランプ氏は現職であり、ボルトン氏の著作にあるように、再選に異常なほど執念を見せる人物である。

 結果が大接戦なら、選挙の不正を訴えて政権の座にしがみつこうとするだろう。バイデン氏は選挙人獲得数で圧倒し、文句を言わせぬ勝利に持ち込む必要がある。

 (時事通信社「コメントライナー」2020年6月24日号より)

 【筆者紹介】

 明石 和康(あかし・かずやす) 1976年時事通信社入社。サンパウロ特派員、パリ特派員、ワシントン支局長を経て、05年外信部長、12年解説委員長。40年以上にわたり国際情勢をウオッチし、米国の政治・外交・社会のほか欧州、中東問題などに詳しい。2018年4月より現職。著書に「国際情勢に強くなる英語キーワード」「大統領でたどるアメリカの歴史」「ヨーロッパがわかる」など。

 ◆【コメントライナー】バックナンバー◆

 

ボルトン回想録は「とどめの一撃」か~再選濃厚から一転、逆風だらけのトランプ氏~【コメ��

 トランプ米政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏の回想録が話題を呼んでいる。

www.jiji.com

www.jiji.com/jc/v4?id=20200628com0001